
中京大学 大学院 国際英語学研究科長/国際英語学部 国際英語学科長
境 賛三(さかい さんぞう)さん
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◆脱・英米を掲げて国際英語を推進
私たちの学校にも英文学科がありましたが、もう行き詰っていたんですね。これまでの英語教育は「英米語」の習得に重きを置かれていて、英米流の発音や文法をきちんと理解することを要求され、題材もイギリスかアメリカの文学が中心。これでは、社会に出て実践に役立つ技術を身に付けられないという課題が浮き彫りになっていました。
一方、英語はいまや世界人口の1/3、およそ20億人が使っている言語で、ますます重要性が高まっています。英語を母国語にしているのは3億7千5 百万人くらいですが、それ以外は違う言語圏の人なのですね。彼らは英語の発音やアクセントが英米流でなくても、しっかり自分の意見を相手に伝え、たくましくビジネスや勉強をしています。この現実に即した力を付けるには、英米語にとらわれず、自分らしい英語でよいから、相手に自分の考えを伝えられる力を身に付けることが必要です。"脱・英米"を掲げて改革することにしました。
そして2002年、国際社会で活躍できる技能の習得と人材育成を目指し、従来の英文学科を改組して国際英語学科を開設しました。当初は学校内外から反対の声もありましたが、文科省への説明に行くと、行政初め多くの大学関係者からの賛同を得て、わずか3ヶ月で許認可をいただくことができました。それだけ英語教育の課題解決に対する社会的ニーズが高まっていたのですね。当学科での専門科目の授業は7割以上がイングリッシュスピーカーによるクラスで、教師陣の国籍も英・米・豪・カナダ・シンガポール・フィリピンと多様です。学生自らが英語でプレゼンテーションする発信型教育の訓練の機会も豊富にし、必修科目としてシンガポールやイギリス、アメリカでの研修も取り入れています。
◆人間的成長が期待できる海外企業インターンシップ
LCEの海外企業インターンシッププログラムは、当学科の開設準備の頃にご提案いただきましたが、私たちが目指す理念と合致する内容だということで、初年度から実施し、今年で7期目を迎えます。生徒の意思による選択科目として今年毎年秋・春の年2回行っていますが、毎年25?40名の学生が参加してきました。
一番の成果としては、英語ということもさることながら、戻ってきた学生が人間的に成長していることです。最近の大学生は、そのほとんどが「自分のことがわからない」ということに悩んでいます。自分はどんなことができて、この先何に向かって進んでいけばいいかがわからない。インターンシップに参加して戻ってきた学生は、全体を見る力や相手に配慮する力、能動的に動ける力、人のために何かをやらなければいけないという意識を持つなど、人間的に成長していることが周囲の目からも明らかにわかります。私たち教職員も、彼らの成長の姿や、その結果学校のカリキュラムの改善点などを発見することができ、毎回その成果を楽しみにしています。
インターン先の企業の中には、アメリカ人だけでなく日本人の多い環境の会社もありますが、学生たちはそこからも色々な刺激をいただいているようです。アメリカで働く日本人の方は、自分の意思をしっかり持って仕事や生活をしている人が多いと思いますが、そういった人と接することでさまざまな考え方や生き方に触れ、視野を広げ、自分たちの将来を見つめるきっかけとなっています。
◆世界で通用する人材を育成したい
これからの社会に求められる人材は、日本語がきちんとできて、日本人のアイデンティティを持ち続けながら、世界のどこの国に行ってもいろんな仕事を任せられ、自分からも仕事を作っていけるような人ではないでしょうか。そのためには、自分の国の文化を知っておく必要があるし、自分の言葉で相手に意思を伝えられることが求められます。
これから取り組んでみたいことは、さらに若い年代の高校生にもこういった国際英語の考え方を取り入れた教育プログラムを実施することです。昨年から実験的に、中京大学付属高校に国際英語学科のコースを1クラス作り、大学で成果のあった色々な授業を実施していますが、すんなり受け入れてられているようです。今後は、海外での企業インターンシッププログラムもぜひ導入していきたいと思っています。